🎦今日の「愛の抜けた映画ブログ」の映画録は、1974年に公開された映画『砂の器』の昔のTV放映や配信先動画視聴からの感想・考察を投稿しています。
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【砂の器:どんな作品?】
本作映画『砂の器』(すなのうつわ)は、1974年に公開された松本清張さんの原作の映画の中でも、特に傑作として高く評価されてきた作品です。松竹株式会社・橋本プロダクション第1回提携作品。平成元年(1989年)には、「大アンケートによる日本映画ベスト150」(文藝春秋発表)第13位。現在ではDVD化・Blu-ray化されています。
原作は『砂の器』(すなのうつわ)は、松本清張さんの長編推理小説です。1960年5月17日から1961年4月20日にかけて『読売新聞』夕刊に連載されていました。同年7月に光文社(カッパ・ノベルス)から刊行されています。
(受賞について)
- 第29回毎日映画コンクール大賞(日本映画)・脚本賞(橋本忍・山田洋次)・監督賞(野村芳太郎)および音楽賞(芥川也寸志・菅野光亮)
- キネマ旬報賞脚本賞(橋本忍・山田洋次)
- 第12回ゴールデンアロー賞映画賞(スタッフ)
- ゴールデングロス賞特別賞、
- モスクワ国際映画祭審査員特別賞および作曲家同盟賞
- 「宿命」は音楽監督の芥川也寸志の協力のもと、菅野光亮によって作曲されました。なお、サウンドトラックとは別に、クライマックスの部分を中心に二部構成の曲となるように再構成したものが、『ピアノと管弦楽のための組曲「宿命」』としてリリースされています。
【砂の器:あらすじ】
国鉄蒲田操車場構内で他殺死体が発見された。被害者の身元がわからず、手掛かりがほとんどないため、事件は迷宮入りの様相を呈するが、担当刑事の今西と吉村は執念の捜査を続けます。やがて、ひとりの天才音楽家・和賀英良が捜査線上に浮かび上がってきます…
【砂の器:主なキャスト】
〔出演〕
- 今西栄太郎:丹波哲郎
- 和賀英良:加藤剛
- 吉村弘:森田健作
- 高木理恵子:島田陽子
- 田所佐知子:山口果林
- 本浦千代吉:加藤嘉
- 本浦秀夫:春日和秀
- 桐原小十郎:笠智衆
- 三木影吉:松山省二
- 捜査一課長:内藤武敏
- 扇屋の女中澄江:春川ますみ
- 捜査一係長:稲葉義男
- 昔の三木の同僚安本:花沢徳衛
- 国語研究所所員桑原:信欣三
- 三森署署長:松本克平
- 巡査:浜村純
- 新聞記者松崎:穂積隆信
- 岩城署署長:山谷初男
- 鑑識課技師:ふじたあさや
- 山下・お妙:菅井きん
- 若葉荘の小母さん:野村昭子
- 亀嵩の三木の妻:今井和子
- 西蒲田署の刑事筒井:後藤陽吉
- 岩城署刑事:森三平太
- 朝日屋の主人:今橋恒
- 世田谷の外科医:櫻片達雄
- 扇屋の主人:瀬良明
- 世田谷の巡査:久保晶
- 恵比須町の警官:中本維年
- 浪花区役所係員:松田明
- 西蒲田署署長:西島悌四郎
- 和賀の友人:菊地勇一
- 亀嵩の農家の主婦:水木涼子
- 慈光園の係員:戸川美子
- 田所重喜:佐分利信
- 三木謙一:緒形拳
- ひかり座の支配人:渥美清
▲『砂の器』 予告篇
★『砂の器』・otacyanのメローな感想・考察など
50年前の1974年に公開された本作『砂の器』は、名匠・野村芳太郎監督によって、松本清張の同名小説を映画化した作品ということになりますが、ジャンル的にはサスペンス扱いにはなりますが、原作者の松本清張さんが「この映画は原作を超えた」と論じたように、親子の愛情と絆、そして逃れられない宿命というものを渾身の演出で描写されています。芥川也寸志さんによる劇的な音楽にも胸を揺さぶられます。
1974年キネマ旬報ベストテン日本映画2位、同脚本賞のほか、数々の映画賞を受賞しています。
本作を初めて観たのは、中学生の時、仕事から帰った父と一緒にテレビで放映されているのを観たのが最初です。観終わった後、父が「余計な言葉のない、よか映画たいね。」といったのを今でも覚えています。私はその後も本作は、何度かテレビドラマ化されたり、レンタル視聴など何度か観ましたが、歳を経るにつれ、今回公開されて50年も経っているのかと、父もこの世の人でなくなり、思い出にひたりながら配信視聴していて本作の良さに改めて気づいたことがあります。
砂の器は、ハンセン病にまつわる悲しい話で有名ですが、何度観ても終盤の回想場面では胸が締め付けられてしまいます。
生きていく事の厳しさを、さりげない演出や何気ない演技のなかに言葉では言い表すことが出来ないくらい表現されています。終盤の回想中には『宿命』の音楽が流れています。丁寧な演出と演技、そして奏でられる音楽が、長い人生のドラマを巧みに表現されています。音楽にも重厚さがあります。
私の個人的な意見ですが、本作は余計な言葉もなく、自分の情感が燻ぶられていくのがいくのがよくわかります。この『砂の器』という映画が長きにわたって印象に残るのは、古来、日本人の魂の根底の中に眠っている「侘」(わび、侘びとも)の心を刺激しているのではないかとも感じました。
辞典の定義によると、「侘」…「貧粗・不足のなかに心の充足をみいだそうとする意識」を言い、動詞「わぶ」の名詞形です。「わぶ」には、「気落ちする」「迷惑がる」「心細く思う」「おちぶれた生活を送る」「閑寂を楽しむ」「困って嘆願する」「あやまる」「・・・しあぐむ」といった意味まであります。
本来、侘とは厭う(いとう)べき心身の状態を表す言葉だったようですが、中世に近づくにつれて、いとうべき不十分なあり方に美が見出されるようになり、不足の美を表現する新しい美意識へと変化していったようです。
室町時代後期になると茶の湯と結び付いて侘の理解も急速に発達し、江戸時代の松尾芭蕉が侘の美をみつけたというのが従来の説となっているようです。しかし、歴史に記載されてこなかった庶民、特に百姓の美意識の中にこそ侘が見出されるとする説も発表されています[1]。
▲天才音楽家和賀英良を熱演・好演する加藤剛
筆舌にし難い運命の重さを負った一人の青年の苦悩。決して許されることのない犯罪行為。原作にはない、映画独自のクライマックス三重奏と構成の凄みが、観る人のそれぞれの心の中に響き続けるものがあります。
映画史上、類を見ない感動的なエンディングだと思います。時を越えて人々の心を震わせ続ける傑作『砂の器』です。考察ごとの多い記事録にて、大変失礼いたしました。<(_ _)>
参考[1] 森神逍遥 『侘び然び幽玄のこころ』桜の花出版より参考引用出典しています。2015年 ISBN 978-4434201424
お勧め度👍👍👍👍👉
お勧め度は作品の面白さ、仕上がり度、充実度などを👍1個2点✖5個で満点ですよ~
👉は1点
個人的な好みや主観もありますけどご参考までに
【本日のおすすめ「砂の器」:配信サイト】
★『砂の器』(1974年、松竹、142分)
★配信サイト
★FODプレミアム 見放題
★Hulu 見放題
★Lemino 見放題
★RakutenTV レンタル
★映画観るなら<U-NEXT>
見放題
★配信状況など変更になることがあります。詳細は配信サイトにてご確認ください。
【砂の器:製作スタッフ】
- 製作:橋本忍、佐藤正之、三島与四治
- 製作協力:シナノ企画、俳優座映画放送
- 製作補:杉崎重美
- 企画:川鍋兼男
- 原作:松本清張
- 脚本:橋本忍、山田洋次
- 監督:野村芳太郎
- 音楽監督:芥川也寸志
- 作曲・ピアノ演奏:菅野光亮
- 演奏・特別出演:東京交響楽団
- 指揮:熊谷弘
- 撮影:川又昻
- 美術:森田郷平
- 録音:山本忠彦
- 調音:松本隆司
- 効果:福島幸雄
- 照明:小林松太郎
- 編集:太田和夫
- 助監督:熊谷勲
- 進行:長島勇治
- 製作主任:吉岡博史
- スチル:金田正
- 製作宣伝:船橋悟
- 配給:松竹
- 公開:日本 1974年10月19日
- 上映時間:143分
- 製作国:日本
- 言語:日本語
- 配給収入:7億円 1974年邦画配給収入3位
▲千住明ピアノ協奏曲「宿命」 第一楽章
安進





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